お昼過ぎに電話がかかってきた。名乗りもせずに開口一番、
「お宅は野良猫を保護している方ですよね?」
と聞いてきた。
その答えはアンタのような失礼な人間には「ノー」だな、と思いつつ、我慢して話を聞く。
◯◯小学校(のろ松の住んでいる2つ隣の区。かなり遠い)にたくさんの野良猫がいて、ずっとエサをやっているのだが、最近、近所の人に文句を言われた、という。
そりゃそうだろう。
「エサをあげている人が不妊手術をして、これ以上増えないようにするしかないですよ」
と答える。しかし、オバサンはその答えでは不満な様子。
「エサをあげないと死んでしまいますよね?」
「でも、エサをあげているだけだと増えて苦情も出ます。だから不妊手術を……」
「近所の人はみんな冷たいんですよ。誰も飼ってあげないし」
「飼ってもらうのは難しいでしょう。まず不妊手術を……」
「子猫が3匹生まれたのを見たんです。かわいそうで」
「いや、だから、……どうしたいんですか?」(キレキレ)
のろ松はもともと性格が穏やかなほうではない。でも、猫に関する限りは、なるべく穏便に話を進めたいと思っている。
だがこのオバサン、不妊手術の話をまったく聞いていないようなのだ。はっきりとは言わないが、どうやら自分がエサをやっている猫を丸ごと全部、のろ松に引き取ってもらいたくて、電話をかけてきたらしい。
「あなたがエサをやって増やした猫の面倒は見れません」
ときっぱり言うと、
「どこへ行けばいいんでしょうか?」
なんて、ヌケヌケと聞いてくる。
いい加減うんざりしながら、区役所の衛生課に相談しろ、不妊手術を自分でお金を払ってやりたいと言えば、捕獲を手伝ってくれるボランティアを紹介してくれるよ、と言ってやった。
すると、
「絶対に紹介してくれるわけじゃないんでしょ?」
とか、
「私も介護があって……」
とか言って、渋りだした。
……もう、怒りを通り越して脱力してしまう。
同じパターンに何回遭遇しただろう。
人に押しつけようとする人間は、言い逃れも同じだ。
介護も子育ても仕事も、アンタだけが大変なわけじゃない。
野良猫ボランティアだって多かれ少なかれ、同じように家庭の事情を抱えている。
自分は大変だからって、アカの他人に平気で押しつけようとするその神経がまったく理解できない。
オバサンは結局、猫のいる小学校の名前を連呼して(自分の名前は言わなかった)、電話を切った。
その小学校に行って、猫を保護しろってことなんだろう。
「カワイソウだ」と言いつつ、自分は野放図にエサだけやって、今まで何匹死なせているんだろう。最低だ。
こういう無責任なエサやりオバサンが生きている限り、野良猫の受難は絶えないだろう。
野良猫問題は、人災だ。
2007年10月06日
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